零の軌跡改 プレイ日記「第78話:どうかその重荷を共に背負わせて」

第78話 プレイ感想日記「どうかその重荷を共に背負わせて」

前回のあらすじ:

青い錠剤の解析依頼に訪れたヨアヒムの口から、狂信的な宗教団体が過去に造ったとされる薬の効能に似ているという話があった。

それは悪魔の力を借りて、人間の潜在能力を開花させるものらしいが・・。

<本記事にはネタバレが含まれます。ご注意ください。>

本編

ウルスラ病院を出る直前 ーー

気を失ったティオをセシルの部屋へ運んだロイドたち。

「ふふ・・良かったわね、ただの貧血で。」

「しばらくしたら目を覚ますと思うわ。」

 

「そっか・・。」

「よ、よかった。」

病棟のベッドが一杯だったので、セシルの部屋を使わせてもらっているのが、むしろこちらの方がティオも落ち着けて、良かったのかもしれない。

「それじゃあ、夜勤があるから」とセシルは退室する。

  

「・・ティオ・・もう少し、早く気づければ・・。」

  

考えてみればヨアヒムの話を聞いている途中ぐらいから様子がおかしかった。

悪魔を崇拝する組織が造ったとされる薬の話が出たあたりから・・。

 

「ーー いいですよ。何を聞いてくれても・・。」

 

「ティオ・・起きたのか。」

「ったく・・心配かけやがって。」

  

目を覚ましたティオは体を起こす。

幾分か顔色は良くなったみたいだ。

「あまり・・気を遣わないでください。」

「薬物捜査に関わる人間として皆さんは聞く必要がある・・」

「わたしの知っている情報を。」

  

たんたんと話すティオ。

まるで出会った時のよそよそしかった頃のように・・。

  

「・・・・・」

「俺たちがティオの気の進まない話をわざわざ聞こうとすると思うのか?」

  

「え・・」

  

「もちろん捜査も大事だけどそれとこれとは話が全く別よ。」

「私たちにとって、あなたは同じ仕事に携わる同僚だけど・・」

「それ以前に、何よりも代えがたい仲間だと思っている。」

 

ロイドに続き、エリィも同じ気持ちだと言う。

そしてランディも。

  

「他人には秘めておきたい、そいつならではの事情はあるさ。」

「ティオすけ、お前がそれを知られたくねぇってんなら、俺らは全力でお前に協力するさ。」

  

「エリィさん・・ランディさん・・。」

「・・そういう事だ。」

「でも、もしティオが俺たちに話したいんだったら・・」

「話すことで少しでも気持ちを軽くできるんだったら・・」

「だったらその重荷はぜひ受け持たさせて欲しい。」

  

「・・ロイドさん・・。」

「・・・・・」

「ふふ・・よくそんなに恥ずかしい台詞が言えますね・・。」

ようやくティオが少し微笑む。

  

「ロイドさんだけでなく、エリィさんもランディさんも・・。」

「お二人ともロイドさんに影響されてるんじゃないですか?」

  

「ハハ、そうかもな。」

「うーん、確かに否定はできないわね。」

  

「否定してくれよ・・。」

「・・ふふ・・」ティオは少し笑うとベッドの淵に腰かける。

「ロイドさんには少し話しましたが・・」

「わたしは5歳の頃、両親と離れ離れになりました。」

「とある狂信的な宗教団体に拉致されることによって・・。」

  

「!?」

その教団の真の教義や目的は今も分かっていない。

しかし、彼らは女神を否定し、悪魔を崇拝することで何かを得ようとしていた。

  

「わたしを含めた他の子供たちは・・その”供物”だったんだと思います。」

  

「供物・・。」

  

「供物と言っても生贄とかじゃありません。」

「・・そんな目に遭った子もいたのかもしれませんが・・」

 

教団は幾つもの拠点(ロッジ)を持ち、ロッジごとに様々な方法での”儀式”を試みていた。

そしてティオが連れて行かれたロッジでは・・

”儀式”という名の人体実験が行われていた。

  

「じ、人体実験・・!?」

「ひょっとして、お前の感応力のことか・・?」

  

「・・はい。」

「薬物を投与され・・全身にセンサーを付けられ・・考えつく限りの方法で五感を高める試みが行われました。」

「更には強制的な暗示と精神的な負荷をかけることで、霊感のようなものまで高められ・・」

「3年間・・それが毎日のように続きました。」

 

「・・そ、そんな・・。」

  

「それでもわたしは・・幸運な方だったかもしれません。」

 

なぜなら、ティオ以外の子供は皆耐えきれなかったのだから・・。

一人、また一人と子供が消えていき、最後に残ったティオは手に入れていた。

分厚い壁の向こうで他の子達が最期に上げた悲鳴を聴き取れるくらいの感応力を・・。

  

「・・っ・・!!」

  

「ーー そんな時でした。」

「わたしのいたロッジにロイドさんのお兄さんが・・ガイさんが乗り込んできたのは。」

「ガイさんに保護された時、わたしは衰弱しきっていました。」

「そしてこの病院に連れて来られ、数ヶ月のあいだ療養して・・」

「・・そこから先は以前、ロイドさんに話したとおりです。」

  

「・・そうか・・。」

「・・ティオちゃん・・。」

  

「・・皮肉なものですね。」

「あれだけお世話になって感謝していた人だったのに・・」

「3年前、ガイさんが亡くなった事を聞かされた時、わたしは余り哀しくなかったんです。」

「まるで、手に入れた力と引き換えに人間らしい感情を失ったような・・」

「そんな不思議な感慨すらありました。」

  

「・・・・・・」

  

「多分わたしは聞きたかったんだと思います。」

眩しいくらい前向きで力強かったガイに、自分のような”欠けた存在”がどう生きたらいいのか・・。

  

しかし結局、答えは聞けず。

エプスタイン財団を経て、支援課へ辿り着いた今でも分からない。

どう生きたらいいのか・・。

  

「ティオちゃん!」

エリィは堪えきれずティオに駆け寄り、抱きしめる。

「いいじゃない・・!分からなくたって!」

「そんなのは私たちだって、あなたと同じなんだから・・!」

  

「・・え・・」

  

ロイドは目を閉じ、思いを語る。

「・・なぜ生きているのか、どう生きればいいのか・・」

「そんなのが分かっている人間なんてそうそういるもんじゃないさ。」

「俺も、エリィも、ランディも。誰だって同じさ。」

  

ロイドの言葉にランディも続く。

「ハハ、俺なんざ特に、自分の道を失った口だが・・」

「それでもティオすけ。そんな難しい問題を急いで解いてどうするんだ?」

  

「・・で、でも・・。」

  

「それでも気になるなら・・答えを探し続ければいい。」

「俺たちが一緒に探すからさ。」

 

  

「・・・・・・」

「・・エリィさんも、ランディさんもロイドさんに感化されたみたいに・・」

「本当に・・聞いているこちらが・・恥ずかしくなってきてしまいます。」

「・・どうしてそんな・・。」

  

「ま、それも巡り合わせだろ。」

「支援課を選んでしまった時点で、俺たちは誰かさんの被害者だ。」

  

「ふふっ、そうね・・そういう恥ずかしい思いも分かちあってもらわないとね。」

  

「なんで俺が加害者になっているのか分からないけど・・」

「まぁ、分かちあうってのは俺も賛成だよ。」

「恥ずかしい思いだけじゃなく、辛い思いや、苦しい思い・・」

「それからもちろん、嬉しい思いや、楽しい思いも。」

「それが”仲間”ってもんだろ?」  

  

「・・ああもう・・」

「恥ずかしくて・・暑苦しくて・・こんなに居たたまれないのに・・」

「・・でも・・何だか悪くない気分です・・。」

  

  

終わりに

はい。

ティオの過去編・・。

なかなか重たい内容でしたけども、大丈夫でしたかね。

最後のロイドのたらしぶりで少し明るくなったのが、せめてもの救いですね。

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