零の軌跡改 プレイ日記「第51話:ハロルド夫妻の真実」

第51話 プレイ感想日記「ハロルド夫妻の真実 ~ Cry for Me, Cry for You ~」

前回のあらすじ:

レンの本質を聞かされたロイド。

<本記事にはネタバレが含まれます。ご注意ください。>

本編

「ーー 私たち夫婦にはかつて1人の娘がいました。もう7年以上前のことです。」

 

ハロルドは語り出した。

ハロルド夫妻の真実を ーー

 

「その・・いたというのは・・やはり・・。」

 

「はい、不幸な事故で・・」

「いえ ーー 事故ではありませんね。」

「あの子は・・私たちが殺したようなものだったんです。」

 

「え・・・・。」

 

「ーー 8年前。」

 

「駆け出しの貿易商だった私は拡大するクロスベルの貿易市場で何とか勝ち残ることに必死でした。」

「その結果、共和国方面の危険な相場に手を出してしまい、多額の債務を背負うことになったんです。」

「幼い娘を連れながらの逃亡生活・・」

「逃げども逃げども債権者に追われ、私たちに安住の地はありませんでした。」

 

「このままでは悪名高いマフィアが出張ってきてしまうかもしれない。」

「それを恐れた私達は娘を古い友人の所に預けました。」

「共和国に住む信頼できる友人です。」

「全て借金を片付けて、身綺麗になったところで娘を迎えに来るつもりだったんです。」

 

「ーー 幸い、頼りになる先生の助言で私たちは債務を整理することができました。」

「コネやツテを生かして事業を建て直し、死にものぐるいで働いて・・」

「何とか1年で、借金の全額を返済することに成功したんです。」

  

「これでやっと娘に会える・・また一家3人で暮らすことができる・・」

「・・そう思って、娘を預けた友人の元を訪ねたら・・」

 

  

そこにあったのは焼け焦げた家の残骸だった・・。

 

「不審火、だったそうです。」

「その頃、組織だった放火強盗事件が共和国方面で頻発していたらしく、私の友人宅もその被害に遭いました。」

「友人宅は郊外にあったため、当局による発見も遅れ、預けていた私たちの娘もそれに巻き込まれていました。」

 

「私たちは半狂乱になって娘を探しました。」

 

「ですが・・遺体の状況はどれも酷く、結局家にいた全員が死亡したという検死結果しか伝えられませんでした。」

「私たちの娘は・・・何者にも替えがたい大切な宝物は永遠に失われてしまっていたんです・・。」

「もう・・私たちには絶望しか残りませんでした。」

 

「・・あの子を死の運命に追いやりながら何のために生きているのかも分からず・・」

「このまま夫婦2人心中しようかとまで考えましたが、そんな時に分かったんです。」

「妻がコリンを・・あの子の弟を身籠っていることが。」

「現金なもので、それが分かってから私たちは生きる気力を取り戻しました。」

「二度と失敗しないような手堅く、堅実な商売だけを心がけて・・」

「そうしてコリンが生まれ、私たちは徐々に立ち直っていきました。」

 

「ーー ですが、その間、私たちは目を逸らし続けていたんです。」

「自分たちの不甲斐なさのせいで、娘を亡くしてしまった痛みから・・」

「私たちが犯してしまった罪から・・・。」

  

「これが・・私たち夫妻が背負った罪です。」

「すみません・・長々とつまらない話を・・」

 

「そんな事が・・・。」

 

「ですが、この子が大きくなり、娘の面影を次第に見せるようになるにつれて、いつしか私たちは罪悪感に苛まれるようになりました。」

「・・あの小さな手を放さなければよかった・・」

「苦しくても、辛くても親子で一緒にいればよかった・・」

「そんな後悔ばかりをするようになっていったんです。」

 

「・・・そこで私たちは改めてこう思い込むことにしました。」

「コリンを授かることが出来たのは、亡き娘と女神が導いてくれたから・・」

「だからこそ私たち一家は・・絶対に幸せにならなくてはならない。」

「それが娘に報いることができるたった一つの方法なんだと・・・」

「身勝手な理屈なのは百も承知しているのですが・・・」

  

「・・ハロルドさん・・・。」

 

「・・しかし・・不思議なこともあるものですね。」

「コリンを助けてくれたお嬢さん・・私と同じ髪の色だったそうですが。」

「あの子も ーー 亡くなった娘も同じスミレ色の髪だったんですよ。」

  

「それで・・・」

 

「ええ・・まるであの子が天国からコリンを守ってくれたみたいで・・。」

「あの、皆さん。そのお嬢さんを見かけたらどうか連絡をいただけませんか?」

「改めてお会いして、心からのお礼を伝えたいんです。」

  

「わかりました。・・もし連絡がついたら必ずあの子に伝えておきます。」

ーーーーーーーーーー

夕刻 ーー

目を覚ましたコリンを連れてハロルド夫妻は帰って行った。

レンは最後まで姿を見せることなく・・。

ーーーーーーーーー

 

「帰ったよ。もう出てきても大丈夫だ。」

クローゼットに隠れていたレンはロイドの言葉にやっと出てきた。

「よかったのか? 追いかければまだ間に合うと思うけど・・。」

 

「・・・ううん、・・・いいの・・。」

「レンがこの街に来た理由・・・その一つが無くなったから・・。」

「だから、これでいいの。」

  

「そんな・・本当にそれでいいの!?」

エリィがレンに問いかける。

「レンちゃん、どう考えてもあなたは・・・!」

 

「やめとけや、お嬢。」

「世の中には真っ当な人間には想像も付かない事情だってある。他人が口出せることじゃねぇ。」

ランディがエリィを止める。

 

「そ、それは・・・。」

 

「ふふっ、そんな顔をしないで・・。」

「ありがとう、お兄さん。」

「レンの帰り道を邪魔している幾つもの大きな岩・・その一つを取り除いてくれて。」

 

「そっか・・力になれたのなら光栄だよ。」

 

「・・・今日のお礼はいずれ、ちゃんとさせてもらうから・・」

「だから・・・レンはこれで失礼するわね。」

 

そう言ってレンは少し微笑むと裏口から去っていた。

「あの~、ごめんくださ~い!」

 

そして入れ違いに支援課ビルを訪れたものがいた。

その声は遊撃士エステルのものだった。

終わりに

ハロルド夫妻の真実が語られました。

ほんの僅かでもこの話を聞いてレンは救われたんじゃないでしょうか。

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