零の軌跡改 プレイ日記「第33話」

第33話「正義とは言葉にするものではなく・・」

前回のあらすじ:

突如、特務支援課宛に《銀》より送られてきた導力メール。

送り先はクロスベル国際銀行、通称IBCからだった。

 

<本記事にはネタバレが含まれます。ご注意ください。>

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本編

 

ーー《銀》より支援要請あり。

  試練を乗り越え、我が元へ参ぜよ。

  さすれば汝らに使命を授けん。 ーー

 

特務支援課の端末に送られてきた導力メールは、《銀》からのものだった。

送り先を解析すると、クロスベル国際銀行 ー IBC ― からだという。

 

「IBC・・どういうことだ・・?」

 

「わたしに聞かれても・・」

「でも、このメールは間違いなくIBCの端末から送られています。」

 

「もしかして、銀がIBCに潜入しているとか・・?」

この導力メールはIBCのメイン端末から送られてきているようだ。

ならば、もし銀が潜入しているとするならば、相当深いところまで潜入していることになるだろう。

 

「・・直接聞くしかないか。」

「なるべく一課には内密に捜査を進めたかったんだけど・・。」

 

 

「・・・ひょっとしたら内密に調べさせてもらえるかも。」

なんとエリィはIBC総裁 《ディーター・クロイス》と知り合いだというのだ。

元々エリィの父と古い友人であり、市長であるマクダエル市長とも知り合いのため、子供の頃からの顔見知りらしい。

そして、ディーターの娘とは幼なじみだというのだ。

 

総裁であるディーターは多忙のため、不在かもしれないが、幼なじみの娘はいるかもしれない。

ダメで元々、訪ねてみることにした。

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港湾区を抜けた先に立つIBCビル。

近代的なビルが立ち並ぶクロスベルにおいても一際大きく、最先端設備が整っている雰囲気を醸し出していた。

 

早速受付で聞いてみると、幸運にもディーターはビルにいるようだ。

そして、エリィならと会ってくれるという。

受付から渡されたセキュリティカードを持って、IBCビル最上階へ案内される。

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「やぁエリィ、久しぶりだ。」

「はい。おじさまもお元気そうで何よりです。」

「アポイントもなしにお邪魔して申しわけありません。」

 

「ハハ、水臭いことは言わないでくれたまえ。」

「君は友人の娘でわが娘の幼なじみでもある。身内も同然じゃないか。」

 

「ありがとうございます。」

礼を言い、特務支援課の面々をエリィが紹介する。

 

「ふふ、クロスベルタイムズで君たちのことは一応知っているよ。」

「IBCの総裁を務めるディーター・クロイスだ。」

「どうか私のことは気兼ねなく、ディーターと呼んでくれ、」

キラリとディーターの歯が光る。

 

「しかし、何やら警察の仕事で相談したい事があるそうだが・・」

 

「はい。実は私たちある事件を捜査しているのですが ーー 」

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エリィは事件のあらましをディーターに伝える。

そして、謎の暗殺者《銀》からの導力メールがこのIBCのメイン端末から送られてきたことを伝える。

 

「ーー ふむ。このビルには正直自信を持っていてね。」

端末室には限られたスタッフしか入室できないし、さらに端末を捜査することのできる権限があるものというともっと限られてくる。

もちろんスタッフの中に最近入ったものや、素性が分からないものはいないという。

 

そうなると残る可能性は、メイン端末がハッキングされた可能性だ。

クロスベルでは、端末はまだ普及し出したばかり。

ハッカー対策どころか、ハッカーを取り締まる法律もない。

 

「ふむ、信頼するスタッフを疑わなくて済むのはいいんだが、メイン端末がハッキングされたというのは由々しき問題だ。」

「よし、こうしよう。」

「君たちが端末室に入れるよう手配しようじゃないか。」

 

「い、いいんですか?」

 

「ああ。メイン端末を調べれば、ハッキングの痕跡も見つけられるだろうし、スタッフから話も聞くことができるだろう。」

 

「・・おじさま。ありがとうございます。」

 

「いやいや、こちらとしても見過ごせない問題だからね。」

「ふふ、それにしても君たちも、雑誌で読んだ以上に可能性を感じさせてくれるね。」

 

「え・・?」

「・・気づいているだろうが、このクロスベルという自治州は非常に難しい場所だ。」

「特に一番難しいのが、《正義》というものが完全に形骸化してしまっていることだ。」

 

「正義の《形骸化》・・・」

 

ディーターいわく、人は正義を求めてしまう生き物だという。

なぜなら、正義とは人が社会を信頼する”根拠”だからだ。

犯罪が起こったときに、法で裁くという《正義》がなければたちまち社会は成り立たなくなる。

 

「だが ーー このクロスベルでは《正義》の形が曖昧でも何とか成り立ってしまっている。」

「政治の腐敗や、マフィアの問題・・それらを警察が取り締まらなくても経済的には恵まれているから、多くの市民は生活に困らない。」

 

「結果的に、単純犯罪は少ないが、目に見えない悪がはびこっていく。」

「だが、そんな中でもやはり人は《正義》というものをどこかに求めざるを得ない。」

「どんな形であれ、社会を信頼できる安心感を欲してしまうからだ。」

「だから、クロスベルではここまで遊撃士の人気が高いのだよ。」

 

《民間人を守る》

彼らの信念から、正義の象徴として持ち上げられやすいのも納得できる。

 

「だが、知ってのとおり、遊撃士協会が執行できる正義はあくまで限定的なものだ。」

「この街の歪みを根本的に解決するのは不可能だろう。」

「だからこそ私は ーー 君たちに期待したいのだよ。」

「君たちが、君たちなりに《正義》を追求している姿・・それが市民に目に見えて示されることが重要だと思うのだ。」

 

クロスベルにもまだ《正義》が存在している ーー  

そう信じられるきっかけを市民に与えることを ーー

 

「ふふ、どうやら興にのって、一席ぶってしまったようだな。」

「ーー 本題に戻ろう。」

「私が直接案内しても良かったんだが、あいにくこの後予定が立て込んでいてね。」

 

「すみません、本当にお忙しいところを。」

 

「なに、しかしそうだな・・、ならばスタッフをここに呼ぶとしようか。」

そう言ってディーターが電話をかけようとしたとき ーー

 

「ーー その必要はありませんわ。」

「お父様、ただ今戻りました。」

「ふふっ、エリィ。本当に久しぶりですわね。」

やってきたのはエリィの幼なじみで、総裁の娘マリアベルだった。

 

おわりに

ディーター、マリアベルなど新キャラ続々登場の第2章。

次回は端末室からハッカーの正体を探ります。

それでは次回をお楽しみに。

 

 

オマケ

「商店で寛ぐツァイト」

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